どんどん・・・

ウサギは寂しいと死ぬらしい・・・

人間は？

寂しいって感じるのが辛くなったら
忘れていくみたい・・・

どんどん・・・

温もりも、鼓動も、感触も、声も、顔も・・・


大切で忘れたくない事ばかり・・・


もう今死んでしまっても良いんじゃないかって思うくらい


恵まれてないとも、苦労してるとも思ってない


きっと、元々「恵まれてる」って事がどんな事なのか
わからないから・・・


「苦労」って、どんなものなのか
理解できてないから・・・





母親が久しぶりに弟に会ってきたらしい
何年越しに話をして

「不幸」で「波乱」な人生を歩いてきたと聞いた弟が

『俺の知らない・・・生まれる前の話や、俺の知らない苦労した話や
　色々聞きたい、小説書けよ読むから』

って、言ったらしい・・・

母親も、出版しようとかはないけど
弟に知ってもらえるなら書いてみようかな・・・
弟だけに読んでもらおうかな・・・

だって・・・・・・・


弟も母親も悪い事は何も言ってない


ただ、胸が痛んだ



私は？
知りたくもない
生まれた日に父方の祖母からかけられた言葉

血液不適合でおこった黄疸がひどい状態で
全身の血液を入れ替えなきゃいけないかも知れない
とりあえず光線治療・・・・その状態に

『あんたは、奇形生んだ！』


同じ日に生まれた子達より後に退院して
すぐ・・・
母方の祖母から

『あんた（母）に生き写しや・・・あんたみたいに間違って育たないように
　私があずかる』

母親から引き離されて

物心ついた時には、母親の腕の中には妹が居て

手がかかる体の弱い子だったから
また母方の祖母のところで生活して

行ったり来たりを繰り返して

妹と遊べる年頃になった頃には弟が生まれて
念願の男の子、みんなの気が一気にいって

弟が座れるようになった時には

母親はお父さんの仕事仲間だった人と駆け落ち・・・

父方親元と、母方親元をたらいまわしにされて

母親が戻った時には下の妹がお腹にいて


全部、全部、聞いた見た感じた


今更、書き出して見せなくても
私は知ってる！


父親が浪費家だった事も、父方祖父母が意地悪でケチだった事も
母方祖父母に金の無心した事も

養父になった人が、賭け事い狂っていた事も
それで、また祖父母から援助してもらってた事実も
暴力ふるわれて、性的虐待も・・・

弟が知らない事実

全部、心の中に積もってるよ

どんな些細な事だって、思い出せって言えば
思い出して語ってあげるよ

母親の美化された記憶じゃなくて事実をありのまま




 

あ・・・・だめだ・・・
吐き出し始めたら止まらない・・・



誰か止めてよ！
私は不幸じゃない！
私は恵まれてないんじゃない！
私は苦労なんかしてない！
私は後悔してない！
私は私は・・・


私は・・・


わかんないよ


欠陥品だからかな・・・


最初から、いっぱい欠けてるから・・・
わからないのかな・・・